「資料を作り始めるとき、最初の1時間が一番しんどい」——そう感じている方は多いのではないでしょうか。
構成をどうするか、どこから書き始めるか。白紙を前にして時間だけが過ぎる。その「0→1」のフェーズこそ、Claude Codeが最も効果を発揮する場面です。
この記事のまとめ: Claude Codeは資料作成の「0→1」フェーズに最も効果を発揮します。背景情報を正確に渡すことで、提案書・企画書・スライド・報告書の骨子を10〜15分で作れます。「判断するほうが創造するより速い」という原理が、Claude Code活用の核心です。
Claude Codeとは
Claude Codeとは、Anthropicが開発したAIアシスタント「Claude」をターミナル(コマンドライン)から呼び出して使うツールです。プログラミングだけでなく、文章作成・情報整理・資料の下書き・スライド構成など、あらゆる知的業務に活用できます。非エンジニアでも使えます。
ブラウザ版の「Claude.ai」と違うのは、プロジェクトのファイルをそのまま読ませながら作業できることです。過去の提案書、会議メモ、数字のスプレッドシート——これらを渡しながら「この情報をもとに提案書を作って」と頼めます。
なぜ資料作成の「0→1」にClaude Codeが効くのか
白紙から書き始めるとき、人は「何を書くべきか」と「どう書くか」を同時に考えます。これが思考の負荷を上げます。
Claude Codeに「たたき台を作って」と頼むと、「何を書くべきか」の仮説を先に見せてもらえます。それを見て「この構成でいい、ここは直す」と判断するほうが、ゼロから考えるよりずっと速い。
「判断するほうが創造するより速い」——これが0→1にClaude Codeが効く理由です。
人間とClaude Codeの役割分担
| 人間がやること | Claude Codeに任せること |
|---|---|
| 背景情報を渡す | 構成を考える |
| 判断・修正指示 | 文章の下書き |
| 数字・事実の確認 | フォーマットへの整形 |
| 最終チェック | 複数パターンの試作 |
この分担で動くと、提案書1本あたりの作成時間が数時間から30〜40分に縮まります。
提案書の構成から本文まで作る
提案書でいちばん時間がかかるのは構成を決めるところです。ここをClaude Codeに任せます。
以下の情報をもとに提案書のたたき台を作ってください。
【提案先】
製造業(従業員200名、IT部門なし)の総務部長
【提案内容】
社内AI研修の導入(Claude Code道場)
【先方の課題(事前ヒアリングで把握している内容)】
- 本社がAI活用を推進しているが、現場は何をすればいいかわからない
- 以前、別のAIツールを導入したが定着しなかった経験がある
- 費用対効果を経営層に説明できる根拠がほしい
【決裁者の関心事】
コストと効果の比率。「失敗しない」という安心感。
【フォーマット】
1. 現状の課題
2. 提案内容(施策3つ以内)
3. 期待効果(具体的に)
4. 導入ステップ
5. 費用概算
6. よくある懸念点へのQ&A
各セクション300字程度で。PowerPointに入れる前のWordの状態で。
「フォーマット指定」と「各セクションの文字数指定」を入れると、使いやすい形で出てきます。
たたき台の質を上げる3つのポイント
1. ヒアリングメモをそのまま貼る
事前ヒアリングのメモ・議事録があれば、加工せずそのまま貼り付けてください。Claude Codeが自分で整理します。
以下は先方とのヒアリングメモです。これをもとに提案書を作ってください。
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(ヒアリングメモをそのままペースト)
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2. 過去の提案書を参考資料として渡す
「前回似たような提案書を作ったが、今回はもう少しコンパクトに」という場合、過去の提案書をテキストで貼り付けて「このトーンと構成を参考に、コンパクト版を作って」と指示できます。
3. 競合情報・業界情報を含める
「競合他社はこういう提案をしているが、うちはここが違う」という情報を入れると、差別化ポイントが明確な提案書になります。
企画書・事業計画書の骨子を作る
「企画書を書く時間がない」という場面でよく使われる使い方です。
以下の内容で新規事業の企画書骨子を作ってください。
【事業アイデア】
中小企業向けのClaude Code研修サービス
【背景・課題】
AIを活用したいが、社内にIT人材がいない中小企業が増えている。
既存の研修サービスはエンジニア向けが多く、営業・事務スタッフには敷居が高い。
【ターゲット顧客】
従業員10〜50名の中小企業。IT部門なし。
【収益モデルのアイデア(まだ仮説)】
月額課金 or 1ユーザーあたり課金
【骨子に含めてほしいセクション】
- 市場の課題と背景
- ターゲット顧客の設定
- サービスの概要と特徴
- 競合との差別化
- 収益モデル(複数案)
- 初期フェーズのリスクと対策
「まだ仮説段階」であることを前提に、問いかけ形式の設問も含めてください。
企画書作成の反復サイクル
企画書は一発で完成させようとしないことが重要です。Claude Codeと以下のサイクルで回すと品質が上がります。
- 骨子作成: 上記のような指示で最初の骨子を出す
- 問いかけの抽出: 「この骨子の中で、検証できていない前提・仮説はどこですか?」と聞く
- 各仮説を深掘り: 「競合差別化の部分をもっと具体的に展開して」と指示して深める
- 役割を変えて批判させる: 「投資家の立場からこの企画書の弱点を3つ指摘して」
週次・月次レポートを型化する
レポートの文章部分に毎回時間をかけるのは効率的ではありません。CLAUDE.mdにフォーマットを設定して型化します。
# 週次報告フォーマット
## 今週の成果
- [箇条書き3〜5件]
- 件名・数値・背景をセットで書く
## 来週の主要アクション
- [箇条書き3〜5件]
## 懸念・相談事項
- [あれば具体的に]
- なければ「特になし」
## 補足
- [数値など定量的な情報があれば]
このフォーマットをCLAUDE.mdに書いておき、「今週の出来事メモ」を貼り付けて「週次報告を作って」と頼むと、毎回同じ形式のレポートが出てきます。
月次レポートの場合
月次レポートは数字が多くなります。Googleスプレッドシートのデータをコピーして貼り付け、「これをもとに月次レポートの文章を書いて」と頼む方法が有効です。
以下の数字をもとに、経営陣向け月次レポートの文章(各セクション200字程度)を作ってください。
【今月の数字】
売上: 1,250万円(先月比+8%、予算比+3%)
新規顧客: 12社(先月比+2社)
解約: 1社(理由: 予算削減)
稼働率: 87%
【強調したいポイント】
新規顧客の獲得ペースが加速していること。解約は構造的な問題ではなく一時的なもの。
【避けたいトーン】
楽観的すぎる表現。数字の羅列だけで終わること。
プレゼンスライドを作る
資料作成の中でも「スライドはどう作るの?」という質問は特に多く聞かれます。Claude Codeには直接PowerPointを編集する機能はありませんが、スライドに使えるコンテンツをまとめて作れます。実用的な方法は2つあります。
方法1:HTMLスライドとして出力する
Claude CodeはHTMLファイルを生成できます。Reveal.jsというライブラリを使うと、ブラウザで動くプレゼンスライドを丸ごと作れます。
以下の内容で、Reveal.jsを使ったHTMLプレゼンテーションを作ってください。
【テーマ】
中小企業向けAI研修サービスの提案
【スライド構成】
1. 表紙(タイトル・サブタイトル)
2. 課題(3つの箇条書き)
3. 解決策の概要
4. サービス詳細(3スライドに分けて)
5. 導入ステップ(タイムライン形式)
6. 費用感
7. まとめ・次のアクション
【デザイン指定】
- 背景色: 紺(#1a2480)
- テキスト: 白
- アクセントカラー: 水色(#60a5fa)
- フォントはシステムフォント(日本語対応)
- 各スライドは情報を詰め込まず、1スライド1メッセージで
生成したHTMLファイルを presentation.html として保存してください。
このHTMLファイルをブラウザで開けばそのままプレゼンできます。URLをチームに共有してレビューしてもらうことも可能です。
HTMLスライドの使い方の流れ:
- Claude Codeに上記の指示を出す →
presentation.htmlが生成される - ブラウザで開く(Spaceキーでスライド送り)
- プレゼン当日はそのまま全画面表示して使う
- 修正したい場合は「○枚目のスライドを修正して」とClaude Codeに指示
方法2:スライド構成をテキストで書き出し、自分でスライドに入れる
HTMLが難しい場合は、「各スライドのタイトルと本文をテキストで書き出す」だけでも大幅に時間が省けます。
以下の提案書をもとに、PowerPoint用のスライド構成を作ってください。
【条件】
- スライド枚数: 10〜12枚
- 各スライド: タイトル(15字以内)+ 本文(箇条書き3〜4点)
- 1スライドに詰め込みすぎない(1スライド1メッセージ)
【出力形式】
---
スライド1
タイトル: 〇〇
- 箇条書き1
- 箇条書き2
- 箇条書き3
スライド2
タイトル: 〇〇
...
---
(提案書のテキストをここに貼り付ける)
このテキスト構成が出てきたら、あとはPowerPoint・Keynote・Googleスライドに貼り付けるだけです。構成を考える時間がゼロになります。
方法3:既存スライドの「中身」だけ差し替える
毎回同じレイアウトのスライドを使っている場合は、フォーマットを固定してテキスト差し替えだけをClaude Codeに任せます。
毎月のクライアント報告で使うスライドの原稿を作ってください。
スライドのデザインはそのまま、テキスト部分だけ差し替えます。
【スライド構成(固定)】
1. 今月のハイライト(3行以内)
2. 数字の結果(KPI一覧)
3. 施策別の成果
4. 来月の計画
5. 相談事項
【今月のデータ】
(数字やメモをここに貼り付ける)
「背景情報を渡す」ことが品質の鍵
Claude Codeへの資料作成依頼で、品質の差が最も出るのは「背景情報の渡し方」です。
渡すべき情報は4つです:
| 情報 | 説明 | 例 |
|---|---|---|
| 相手 | 読む人・決裁者は誰か | IT苦手な50代の部長 |
| 目的 | その資料で何を達成したいか | 予算承認を取る |
| 制約 | 守るべき条件 | 費用は年間100万円以内 |
| 文体 | トーン・フォーマット | Wordの文章、各セクション300字 |
この4つを指示に入れるだけで、出てくるアウトプットの質が変わります。
よくある「情報が足りない指示」と改善例
悪い例:
提案書を作ってください。
良い例:
IT導入に慎重な中小企業の社長(60代)向けの提案書を作ってください。
目的は「まず無料トライアルをやってみよう」という合意を得ること。
費用の話は最後にして、まず課題と解決策を先に見せてください。
情報が多いほど、「この人に届く」文章になります。
CLAUDE.mdに会社情報を入れておく
繰り返し使う情報(会社概要・サービス説明・担当者名・よく使うフォーマット)はCLAUDE.mdに書いておきます。
# 会社情報
- 社名: malna株式会社
- 代表: 高橋一志
- 主力サービス: Claude Code導入支援・AI研修
# よく提案するサービス
Claude Code道場: 月額1,980円〜。非エンジニア向けAI活用研修。
# 提案書のトーン
- 専門用語は使わない
- 結論を最初に書く
- 数字は具体的に(「効率化」ではなく「週2時間削減」)
一度設定しておけば、毎回「うちの会社の説明をしてから」という前置きが不要になります。
修正指示の出し方
「もっとよくして」「いい感じに直して」という指示では、Claude Codeは正しく動けません。改善してほしいポイントを具体的に伝えることが必要です。
効果的な修正指示の3要素
- 何が問題か — 具体的な箇所を指摘する
- どう変えたいか — 方向性を示す
- なぜか(可能なら) — 背景を伝えるとより意図に沿った修正が返る
修正指示の例:
出てきた提案書を以下の点で修正してください。
- 「期待効果」のセクションが抽象的すぎる。
具体的な数字(時間削減・コスト削減)のプレースホルダーを入れて、
「ここに実績値を入れればそのまま使える」形にしてほしい
- 「導入ステップ」が詳しすぎる。
決裁者は詳細なステップより「いつから動くか」を知りたい。
3ステップ・3行以内に圧縮して
- 全体的にトーンが硬い。
決裁者は60代で技術的なことは苦手と聞いている。
「小学生の親に説明するくらいの平易さ」に変えて
複数パターンを作らせて比較する
どちらの表現・構成が良いか迷ったときは、Claude Codeに両方作らせて選ぶほうが速いです。
「期待効果」のセクションを2パターン作ってください。
パターンA: 数字中心(ROI・コスト削減を強調)
パターンB: 体験中心(「現場がこう変わる」を強調)
どちらが刺さるか判断できるよう、違いを一行でまとめてください。
よくある質問
Q: 出てきた文章をそのまま使っていいですか?
そのまま使うことは推奨しません。数字・固有名詞・事実関係は必ず自分で確認してから使ってください。Claude Codeは「たたき台」を作るツールです。特に「競合他社の情報」「市場規模」「法律・規制」に関する記述は、一次情報で確認してください。
Q: どんな情報を渡せばいいかわからないときは?
「この資料を作るために何を聞けばいいか、質問してください」と先に聞く方法があります。必要な情報をClaude Codeに整理してもらってから、情報を渡して書いてもらうとうまくいきます。
Q: HTMLスライドはどうやって作りますか?
Claude Codeに「Reveal.jsを使ったHTMLプレゼンテーションを作って」と指示するだけです。前提知識は不要です。生成されたファイルをブラウザで開けばそのまま使えます。修正したい場合も「○枚目のスライドのテキストを変えて」とClaude Codeに頼めます。
Q: CLAUDE.mdとは何ですか?
Claude Codeを起動するときに自動で読み込まれる設定ファイルです。自社のルール・よく使うフォーマット・NG表現・会社情報などを書いておくと、毎回同じ設定を指示する手間がなくなります。
Q: スライドを直接PowerPointで出力できますか?
現時点では、Claude Codeが直接.pptxファイルを生成する機能はありません。ただし、python-pptxというライブラリを使ったPythonスクリプトをClaude Codeに書かせて、PowerPointファイルを生成させることは技術的には可能です。「python-pptxで提案書スライドを生成するスクリプトを書いて」と指示してみてください。
この記事のポイント
- Claude Codeは資料作成の「0→1」フェーズに最も効果を発揮する
- 「相手・目的・制約・文体」の4情報を指示に含めると品質が上がる
- スライドはHTMLで丸ごと作るか、テキスト構成だけ出力してPowerPointに貼る
- 修正指示は「何が問題か・どう変えたいか・なぜか」を具体的に書く
- CLAUDE.mdに会社情報・フォーマットを設定すると毎回の指示が短くなる
- 出てきた文章は「たたき台」として扱い、数字・固有名詞は必ず確認する
公式情報ソース
資料作成の具体的なケーススタディは「営業・企画職がClaude Codeで変えた仕事術」に実例があります。
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